シドニーから、そして今度はペルーから。
在外邦人の皆様にご信頼いただいている様子で患者さんがやってきます。
それほど全体数、つまり外国で生活する日本人のかたが増えたのでしょうか?
若い学生は外国へ留学しなくなった、と聞きます。
明治の頃、ドイツに留学した日本人学生が
日曜日だというのに部屋にこもって勉強しているので
「日曜日ぐらい休みなさいよ」
と声をかけると、
「私が一日休むと日本の文明化が一日遅れる」
と答えが返ってきたとか。
これは伝説ではなくある日記に記された内容らしいのですが、いろいろな思い、
それぞれの運命で人は故国を離れるものなのですね。
はじめて日本に渡ってきた我々の祖先もどんなつもりで生まれ故郷を離れたのでしょうか?
流離の憂いも感じたことでしょう。しかしそういった決別があってこそ、人類は地を被い、社会を造り上げてきたのです。